ジャッキー・イクス(Jacky Ickx)
「無冠の帝王」そして「ル・マンのキング」と称される、ベルギー出身の伝説的レーシングドライバーです。F1とスポーツカー(耐久)レースの双方で圧倒的な実績を残しました。
1. 「ル・マンのキング」としての偉業
ジャッキー・イクスを象徴するのが、世界最高峰の耐久レースである「ル・マン24時間レース」での圧倒的な強さです。
- ル・マン24時間レース通算6勝(1969, 1975, 1976, 1977, 1981, 1982年)
- 1969年にはフォード・GT40で、1970〜80年代にはポルシェ(936、956など)のワークスドライバーとして黄金期を築きました。トム・クリステンセンに破られるまで、長年にわたり最多勝記録(6勝)を保持し続けました。
伝説の「イクス・スパート(1969年)」
安全上の理由でマシンまで走って乗り込む「ル・マン式スタート」に危険性を感じていたイクスは、1969年のレースで一人だけ歩いてマシンに向かい、ゆっくりシートベルトを締めて最後尾からスタートしました。そのレースで見事な追い上げを見せ、最終ラップで接戦を制して逆転優勝を果たしました。この行動がきっかけとなり、翌年からル・マン式スタートは廃止されました。
2. F1における「雨のマスター」
F1においても1960年代後半から1970年代にかけてトップドライバーとして活躍しました。
- F1通算成績: 8勝、13ポールポジション、14ファステストラップ
- ランキング2位: 1969年(ブラバム)および1970年(フェラーリ)
チャンピオンタイトルには手が届かなかったものの、特に雨や悪天候のコンディションで圧倒的な強さを誇り、「レインマスター」と称賛されました。
3. 多才なモータースポーツキャリア
サーキットレースにとどまらず、過酷なラリーレイドでも頂点を極めています。
- ダカール・ラリー優勝(1983年): メメルセデス・ベンツ・280 GEを駆り、砂漠の過酷なレースを制覇。
- Can-Amチャンピオン(1979年): 北米のハイパワーマシンによる選手権でもタイトルを獲得。
どのようなマシン、どのような天候や路面コンディションであっても、冷静沈着なドライビングと抜群のマシンマネジメントで最速を叩き出す、モータースポーツ史に刻まれるオールラウンダーです。
山下レーシング倶楽部 


